日本人初STAGES認定ディブリーファーになりました。

2023年11月 STAGES認定ディブリーファーになりました

2023年春からSTAGESのディブリーファー認定コースを受講しました。

アメリカ、ヨーロッパ、南米、オースラリアの国からも参加者がいたので、みなさんのタイムゾーンを合わせるのが大変でした。早朝5時の時もあれば、深夜2時過ぎということもありました。

すでにこれまでSTAGESのプログラムを長く受講していたので、各段階についての特徴についてはすでに理解を深めていましたが、この認定コースでは、それぞれの段階に関して初期、中期、後期の段階が存在すること、さらには、各ステージから次のステージへの移行によって起こる混乱や葛藤などについても詳しく学びました。

これらを学ぶと、発達段階というものは、たんに一つの段階から一つの段階にシフトするというイメージとは根本的に異なるものだということがよく理解でき、同じ段階でも初期と後期ではだいぶ違うということが分かり、発達段階に対して疑問を抱いていた点が、非常にシックリきたという経験になりました。これらについてご興味のある方は、ぜひ一度、まずはアセスメントを受けてみることを強くオススメします。

 

STAGESはどのように役に立つのか

個人へのアプローチ

個人に対しては、アセスメントプロセスを通じて、個人的に、そして職業的にどのようなレベルにあるのかを発見することができます。あるステージが他のステージより優れているというわけではありませんが、自分が発達マップのどこにいるのかを知ることは、新しいステージへの進出、古いパターンとのトラブル、自分が最もよくアクセスする発達のレベルに適したスキルを得る方法など、厄介な領域をナビゲートするために役立ちます。

集団へのアプローチ


コーチング、心理療法、ビジネス、教育など、専門的な分野で発達の知識を活用することができます。STAGESモデルは、あらゆる種類の組織や専門職を成長させるための強力なフレームワークとしても機能します。ビジネスおよび教育およびこれらのシステムと従事する専門家はこの普遍的な成長プロセスを理解することから、個人や組織の健全性をサポートできます。

子育て

親として、あなたは3つの質問を通して自分自身を観察し、自分がどこから来ているかを知ることができます。次に、3つの質問を通して子供を観察し、子供がどのような状態にあるのかを把握することができます。あなたの好む子育てのやり方は、子どもが発達の過程で活性化する場所に対して適切ですか?良い親は、子どもの発達が変化するたびに、異なる種類の親になることを学びます。なぜなら、それぞれの発達段階には、異なるスタイルの子育てが必要だからです。STAGESは、この適応性を持つ親を正確かつ一貫性を持ってサポートします。

心理学

クライアントに対してこのような発達の観察を行うこともできます。クライアントの様々なレベルに適応していくうちに、クライアントがある時点でシャドウクラッシュに陥る可能性があることがわかるでしょう。あなたは、その人がどのレベルに墜落したかを把握し、そのレベルに適した介入を行うことで、より効果を上げることができるようになるのです。

コーチは、このアプローチを非常によく似た方法で使うことができます。クライアントの強みと弱みを的確に把握し、その成長をサポートするための練習や洞察を提供することができるのです。

ビジネス

ビジネスパーソンであれば、自分の組織や同僚を見ることができます。その結果、本人が必要としている能力開発とビジネスの能力開発との間にギャップがあることを知り、その強みと課題に気づくことができます。これは、スタッフに対する適切なトレーニングの設計に役立ちます。また、書面でのアセスメントをトータルで活用することで、組織の全体像を把握し、二次的な実践がビジネスのバランスを整えるのに役立つかどうかを判断することもできます。

コミュニティによる応用アプローチの研究

発達の観察を学ぶにはある程度の練習が必要です。
そして、そこには倫理も伴います。
価値のあるものはすべてそうであるように、最終的には、STAGESが発達の観点を考慮した、適応性の高い、実用的なアプローチであることが分かるかもしれません。
そのため、定期的にSTAGESに長年実践している海外の講師によるワークショップを開催したり、年間プログラムである発達支援コースを開催し、長く発達理論を学んでいる人々と共に、発達理論の応用について学習するコミュニティを運営しています。
組織、対人支援、個人の成長などのために毎年多くの方が発達支援コースに参加してくださっています。日本のさまざまな文脈で成人発達理論を応用した事例を共有し合っています。


ディブリーファーの役割とは

また、ディブリーファーの重要な役割は、アセスメントを受けていただいた方が、STAGESが提供するレンズに対して納得感を得られることをサポートすることですが、クライアントさんの話していただくことについて、コーチングをしたり、ソリューションを提供することをしない、ということがチャレンジになりました。コーチングやソリューションを提供する前に、まず、ご本人がご自身のいるステージについて納得感を得てもらうことが重要です。その納得感を得ていただけると、ご自身の中で自然と、その段階で学ぶことと向き合いやすくなり、さらにはその段階で経験する葛藤も受け入れやすくなるということが自然に起こることが不思議です。

もちろん、それぞれの発達段階に、今後、どのような実践を提案するか、ということも詳しく学び、そのサポートもさせて頂きますが、まずは、ご本人が納得感を得るという体験を提供することがいかに重要なのかということをこの認定プログラムで学びました。

「発達することは善か?」

日本で成人発達理論が知られ関心がもたれるようになり、「発達することが善かどうか」というテーマがよく話題になっているように思いますが、わたしがSTAGESをあらゆる学びの中で最優先して学んできた理由はこの議論に関して、最もバランスの取れた思想がSTAGESの中に織り込まれているということを私自身が深く納得しているということが挙げられます。
 

成人発達および発達コーチングをめぐる倫理には、さまざまなアプローチがありますが、私たちは以下の倫理的前提を推奨します:
 

現在の段階でバランスがとれていて幸せである方が、次の段階へ進むための健全な基盤を築くのに時間がかかり、後の発達段階に進んで不幸であったり、バランスが悪かったり、あるいは人生において中立であったりするよりもよい。


私たちは、発達段階での成長を抑制するのでも、発達段階での成長を促すのでもなく、あなた(またはクライアント)が幸せでバランスが取れているところに焦点を当て、あなたの発達レベルに合ったシャドウ・プラクティショナーやセラピストを見つけることで、あなたが苦しんでいる部分を何とかするアプローチをとります。


この「発達することが善かどうか」という議論の背景にも、実はそれを議論する人たちの発達段階の視点というものが大きく影響を与えています。

発達をどのようにとらえているか、善ということをどの視点から捉えているか、これらについては、何が正しく、何が間違っているか、というよりも、それらをどの視点から捉えているかという視点の違いに目を向けることがSTAGESの発達のレンズが提供するものだと思います。

ぜひこれからも私が有益だと感じる情報を発信していきますので、ご興味を持っていただけたら幸いです。

アセスメントについても、お問い合せ、お待ちしております。
 

榎吉郁夫