トラウマサミット2022【デブデイナ】ポリヴェーガルな視点から見た安全性の構築

2022/08/02

トラウマとは、慢性的なつながりの断絶である。(ポージェス)

神経系というレンズから、トラウマを見てみると、これまでのセラピーの常識が覆ります。

神経というのは、「認知」ではなく、わたしたちを守るために、常に安全第一で働いている。

神経系が整えば、症状は軽減・消失し、神経系のレンズから「病気」を見れば、病気とは、調整されない神経系の状態のことであり、まさに「Dis-Ease (容易ではない)」状態のことであり、ウェルネスとは、腹側迷走神経に調整された状態のこと。

したがって、背側になることそのものが問題ではなく、腹側に戻る道が見つけられないことが問題。

ウェルビーイングとは、危険を減らしたり、取り除いたり、あるいは無くすということではなく、安全を経験するということでもある。
今回、デブデイナは、「ポリヴェーガルに気づきを持った人の責任」という話をしていました。

私たちは常に、神経レベルでのコミュニケーションをしているので、私たちは常に自分の状態が、他者の神経レベルの状態に影響を与え、世界に神経レベルで影響を与えている存在である。
自分のウェルビーイングは世界のウェルビーイングに影響を与えている。

私たちは腹側迷走神経につながることで、世界に安全であることをメッセージとして伝えていることになり、つながりを伝えることになる。

もし、私たちがサバイバル状態ならば、世界に対して危険であるというメッセージを送っていることになる。

ティック・ナット・ハンの言葉を紹介していました。
"地球は、私たちの中に十分な安全性を感じたときに安全になる"。

私たちが、腹側迷走神経を継続的に使い続けることによって、世界はより安全で、つながりを持つことができる。

トラウマを学ぶことは、神経系のレンズから、新しい目で世界を見ることであり、人や社会のウェルビーイングを神経レベルで理解することであり、私たちが「神経という環境」で生きている動物であることを知り、その環境をよりよいものにしていくためのエコロジカルな生き方を学び、私たちが神経系とどのように付き合っていくかを学ぶということでもあると言えると思います。
私たちが自分の神経系を大切にして、理解を深めていくことは、他者の理解を深め、社会の理解を深めます。